風呂場 子供と父を洗う

明日には父が老健施設へ帰っていく。実に3週間以上家にいたことになる。いつも通り元気で食欲は若い者と変わらない。姉よりも多いぐらいにに食べる。誕生日は1か月先だが姉弟妹3人で誕生日祝いにウナギを食べに連れていってあげた。まあーよく食べる。これが来年数えで.白寿迎える老人とは思えない。胃腸は極めて丈夫だ。

ところが元気な父がウナギの1週間前に、日向ぼっこから立ち上がるのに立ち上がれずに尻もちをついた。間に合わずに頭を打つかと、ヤバいと思ったが頭は打たずにちょこんと座った形になった。事なきを得たとずっと思っていたが、以来しばらくして動きが極端に遅くなり、トイレが間にあわずに漏らすことが増えてきた。よく見れば左臀部の腰に近いところに大きな血栓 アザができている。骨のビンビンした痛みがないというのでヒビが行ったり折れたりはしていないが、この打撲の影響で足の運びが遅くなり、普通のパンツから紙パンツに還ることになったが、普通なら嫌な顔をするはずの男女共用の紙パンツを当然のように履いている。今まではブリーフばかりで紙パンツは滅多に履かなかったが、自分で履くようになった。見る限りでは、足腰は相当弱っている。

そんな父を昨日風呂に入れた。今まで風呂に入るが体を洗っていない。汗を背を全然かかないタイプなので風呂につかるだけでよかったのだが、明日から老健施設の世話になるが体を洗ってはもらえないだろうと、タオルに石鹼を刷り込み泡立て体を洗ってあげた。最初は恥ずかしかったのだろう、嫌がっていたのだが無理やりパンツを脱がせ、湯船につからせ、しばらくして引き上げ背中から泡立てたタオルで洗ってやった。首から方から背中から腹から、お尻からチンチンの方まで、昔子供を風呂で洗ってやったのと同じように洗ってやった。懐かしく思い出したが、まさか父親に同じようなことをするとは思わなかった。父も、強引にやっていくのであきらめたのだろう、今日自分から「背中を流してくれ」という。わかったと言って、今日は、少なく薄い頭を洗ってやった。何故かわが子のことを思い出し、笑いが込み上げてきた。

風呂からあがってもバスタオルで頭から背中、腹からお尻、前から足元とむ拭いてやった。「ああー、風呂入るとしんどいけれど、サッパリした」と、笑いが込み上げてきた。

明日からまた2か月ほど老健施設にお世話になる。足腰が極端に弱くなり、盆に出られるか心配だ。白寿の祝いも実は心配で、覚悟を決めなければいけないかとも、思っている。